RuPaul’s Drag Race UK season2 の感想と考察

Drag Queen lawrence chaney
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*ネタバレ含む*

日本でもNETFLIXなどでアップされているのかわからないけれど、
3月末BBCで、大好きなルポールのドラァグレース UKシーズン2のフィナーレが放送されたので、
USA版と比較してのUK版ドラァグレースの見どころや、
番組全体を通して思った、考察などをメモしました。

RuPaul’s Drag Race UK 版の見どころ3つ

from BBC website : https://www.bbc.co.uk/programmes/p091pr8j

見どころ 1 根本的に穏やか(なはず)&DIYが多め

そもそも、公共放送のBBCがスポンサーなためか、
残念なことに優勝賞金もないし
(BBCが優勝者にミニシリーズを作ってくれる、という特典はあるものの、、)、
メインエピソードで勝ってもバッジ1こしかもらえず、、
「こんなに頑張ってるのに、もっと予算回してあげなよ!」とツッコミたくなります。。

USAバージョンだと、ミニチャレンジですら賞金が出る中
2021年秋以降に予定されているseason3もBBCでの放送が続くことが決定されており、
しばらくこの傾向は続く模様。
でも、その分裏を返せば、構造的には、
小競り合いはあるにしても、
和気あいあいとした空気には比較的なりやすいのかなと思っています。

また、そういう賞金事情?も関係してか、
今のところ自分で衣装を作ってこれる
DIYなクイーンが多くいる印象で、見ていて楽しいです。

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見どころ 2 ドラァグの種類の多様性

本家のUSAバージョンを見ていると、
パジェントの優勝経験があるクイーンが出てきたり、
回数も重ねてきて美の基準というのがもっと明確な印象があるけれど、
UKのだと、これまでのところもっと
キャンピーな(歌舞いてる?)クイーンが多い印象。
毛を剃っていなくてもOKだったり、
あえて老けて見えるメイクもしていたりするし、
コメディっぽいセンスも入れつつ、多種多様です。

season1の優勝者も、
「ブリティッシュドラァグはパフォーマンスが大事で、
いくら見た目がよくても、マイク持ったときに何かできなきゃ意味ないよね、となる」
と言っていたように、
ドラァグの見た目はこうあるべき、というのは優先順位として
そこまで重要でもなさそうです。

見どころ3 出身地とカルチャー

USA版だと、ニューヨークとかシカゴクイーンとかいうのはきいても、
細かくどこ?というのはあまり話題としてのぼらない印象だけれど、
uk版は絶対最初の段階で
アクセントから「イングランドのどこどこでしょー?」とか、
ウェールズ訛りが可愛い、とか、そういう話になりがち。
ロンドンの範囲でも「東ロンドンっぽい」とか、
地域のカルチャーが意識されているシーンが多いです。

番組としても、スコットランド出身なら
バグパイプのBGM入れてみたり、
ルポールもわざわざスコティッシュアクセントを真似してみたり。

小さい島国なのに、
そういった部分もバラエティに富んでいます。

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 LGBTとUKの事情

UK版の方を見ていると、
4つの国で「UK」という一つの括りとしてやっているし、
外から見る者としてはパスポートも一緒なら全部「イギリス」じゃないの?と見がちだけれど、
お互いの意識の上でも「別々の国」なんだなという
UKの独自の事情を改めて思い起こしました。

実際に、法律もそれぞれ独自に制定されているので、
イングランドでは2005年に合法になった同性婚は、
北アイルランドでは2019年まで認められておらず、
番組中でもSeason1の時は
北アイルランド出身のクイーンが「いいなー」というシーンも。


法律の時点からして別なので、
歴史的なことにプラスして、スコットランドがUKから独立したい、
というのも、それはそうなるよねー、、という印象です。

元々ドラァグシーンが限られている国からのクイーンにとっては、
「国を背負ってきてる!」みたいな
プレッシャーもあるのかな?と時々感じました。

RuPaul’s Drag Race UK Season2の感想と考察

Drag Queen lawrence chaney

今シーズン、Bemini 派かLawlence 派か?という意見で割れていたようでしたが、
Season2を見終わってみて、
優勝が、ふくよかめなスコテッシュクイーンだったというのは、
これからUKシリーズを続けてゆく意味合い的にも、
とても良かったのではないかと思います。

最後のインタビューで、
審査員のミシェルが「今後ロンドンに拠点を移すっていうことは、ない?」みたいな
ことをわざわざ聞いていましたが、
この場合は、地元から都会に、というよりは、
スコットランドの代表としての自覚、みたいなことだったのかな?と思いました。

そのことを思うと、
「Lawlenceが優勝」ということで、
プラスサイズのドラアグクイーンが勝つのは
US版合わせても初めてということ、
また、スコットランド出身のクイーンが勝つことで、
イングランドだけじゃない、”みんなの” UKドラアグレース、
みたいな部分も見せられたのかなと。

スコティッシュの知人が
lawlenceの歌まで作って喜んでるのを聞いて、
そんなことを思いました。

途中、ロックダウンで中断になったり、
コロナ陽性で推しクイーンが棄権になってしまったりと
波乱のシーズンだったけれど、
全体的にレベルもバラエティもパワーアップして、
見応えのあるシーズンでした!

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